DIO ‐ Lineageシリウス名鑑解説

今回のLineageシリウス名鑑解説は、「DIO」さんです。
まずは名鑑の管理人さんが書かれた内容です。
■DIO/ディオ Wiz/ナイト
自称全茶厨房、彼氏募集中、などたまに出てきては全体チャットを賑わせる人。
ただ見方を変えれば、本当にあらゆる意味でリネージュを楽しんでいる、ともいえる。クラン『KATANA』の幹部クラスらしい。
ナイトの方には一時期『地獄帰りの』というタイトルが付いていたことも。

悪い意味でオールラウンドプレイヤー?

「自称全茶厨房」であったと、名鑑の管理人さんは書かれています。
たしかに「彼のプレースタイルを無理やり一言で表せ」となれば、やはり『全チャ厨』が一番しっくりくるのかもしれません。名鑑には「たまに出てきては」という記述もありますが、たまにではなく常時の間違いだと思います。それくらい毎日のように全チャで名前を見ていました。

ですが、彼がリネージュでやったことは全チャだけではありません。
DIOさんはサモン習得済みの高LVウィザードであり、所属の『KATANA』血盟は第一線の戦争クランともつるんでいましたので、攻城戦はもちろんボス狩りにも参加していましたし、「未変身ALLKILL(※)」を口実に一般プレイヤーに対し通り魔的なPKもするなど、その当時のリネージュでやれることは全てやっていました。プレースタイル的にはオールラウンドプレイヤーと言ってもよいのかもしれません。
(※当時ケイブでの未変身は、モンスターが暴走するなどの理由によりマナー違反とされていました。が、DIOさんは現場での警告などもなくいきなり襲っていたようなので、単に一般プレイヤーをサモンBBでPKする口実を用意したかっただけだと思われます)

彼は後述するように内輪以外にはまったく配慮しないタイプで、かなり悪目立ちもしていたため、当時「こんなプレイヤーにはなりたくない」というアンケートを取れば上位に食い込みそうな感じでした。

ただ、それも彼の個性だと言えばそうなのでしょう。
名鑑の管理人さんの評価「見方を変えれば、本当にあらゆる意味でリネージュを楽しんでいる、ともいえる」というのは、私としては特に異議はありません。そのとおりだったと思います。

元祖『"内輪話系”全チャ厨』

彼はどんな全チャ厨だったのか? ということについても述べてみたいと思います。

=== 全チャ厨の種類 ===

①配信者系全チャ厨
ラジオパーソナリティに近いタイプ。話す内容は主に独り言や雑談で、全チャを見ている人たちを強く意識している。面白ければ問題ないが、つまらなければただの荒らしと変わらないので不快に思われやすい。

②抗争系全チャ厨
PKでの煽りで全チャを使用するタイプ。言葉が汚くなりがちであり、味方以外、特に一般人からは不快に思われることが多い。

③なりきり系全チャ厨
キャラを設定し、なりきるタイプ。時報をおこない続けたオ‐フェン氏や、大晦日に「ゴーン」と鐘を鳴らし続けた除夜の鐘氏、「( ´_ゝ`)<愚痴なら聞きますよ」のたかおさん氏などはこの典型と思われる。荒らしのレベルまではいかないことが多く、基本的に無害。

④内輪系全チャ厨
身内で全チャをジャックするタイプ。ウィスパーやクランチャットでやるような会話を全チャで延々とおこなう。関係者以外は入り込めず、見ていても何の話なのかわかりづらく面白くもないため、ほぼ誰にとっても不快。

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当時の全チャ厨を無理やり区分してみましたが、DIOさんは④の内輪系全チャ厨の元祖であり第一人者でした。所属していたKATANA血盟のメンバーと一緒に全チャを頻繁にジャックし、雑談をし続けていました。

そのノリは、学校で教室の一角に集まって大きな声で喋り込んでいるグループのよう……という表現が近いでしょうか。それを全チャでやってしまいますので、外の人から見ればただひたすらうるさい・つまらない・意味不明といった感じで、
「頼むからどこかに集まってノーマルチャットでやってくれません?」
このような突っ込みを入れていた人はたくさんいたようです。

KATANA血盟

DIOさんを語るうえで、彼が幹部であったKATANA血盟にも触れないわけにはいきません。
当時としては廃人クランと言ってもよいくらいに平均LVが高い強豪血盟でした。
私は当時DIOさんが代表者だと勘違いしておりました(あまりに目立っていたため)が、実際はKikuchaという人物が代表者であったようです。

はっきり言いまして、非常に評判の悪い血盟でした。
関係者以外でKATANA血盟が好きだという人を見たことはなく、それどころか、当時もしも「リネージュ史上最低の血盟は?」と聞いて回ったとしたら、このKATANA血盟を挙げた人が少なからずいたのではないかという気さえしてしまいます。

その理由は悪事を働いていたからというだけではないと思います。
例えば、闇幻影旅団血盟(ギルバドさんのクラン)やTokitaka血盟(Tokitakaさんのクラン)、初期のサルモネラ血盟(ビニールさんのクラン)などは無差別PK・嫌がらせをする血盟だったので、KATANA血盟よりもずっと振り切れた『悪い血盟』です。
ですが、その3クランを最低の血盟だと言う人はいなかったのではないでしょうか? むしろリネージュ史に残る名クランだと考える人のほうが多いはずです。

なかなか説明が難しいのですが、
  • 内輪で楽しんでいるだけで、外から見るとコンテンツとして楽しめなかった
  • 加入してきた中学生プレイヤーを全員で騙して装備を剝ぎ取る(本人は最後までアカウントハックだと信じていた模様)など、本格的な陰湿さがあった
  • 主要メンバーはDIO氏に似た性質の人が多く、内輪や同盟には普通に接し、一般プレイヤーや大きな後ろ盾のないプレイヤーには威圧的だった
このようなことから、KATANA血盟は悪役としても親しまれる存在にはならなかったのだと思います。

いちおう擁護もいたしますと、彼らの遊び方は、リネージュというゲームにおいて非常に合理的だったということは言えると思います。
外部から人気がなかった点ついては、当の彼らがそれを求めている感じがありませんでしたので、おそらく本当に「どうでもよかった」のでしょう。

20年後に流行する「不自由に生きるくらいなら他者から嫌われる勇気を持て」というアドラー心理学の教えを実践したかのようなプレースタイルは、きっとストレスとは無縁なものだったに違いありません。

最後はBAN

そんな「あらゆる意味でリネージュを楽しんだ」DIOさんでしたが、ある日突然、キャラクターを運営さんにBANされてしまい、その活動を終えることになりました。

BANの直接の原因は、タイトルに『NC社長』と付けたことであると言われています。DIOさんは全チャでのGMいじりも多かったため、当時は「累積によるBANではないか」「前から運営に目を付けられていたのでは」などと噂されていましたが、実際どうだったのかは謎です。

その後は何度か『XxDIOxX』という名の捨てキャラで全チャを荒らしに来ることはありましたが、本格的な復帰はなかったと記憶しています。

実は……?

校名は伏せますが、彼は非常に高い偏差値で知られる某名門高校の学生でした。
その学校ではリネージュが大流行しており、KATANA血盟はクラスのメンバーが集まって結成されたものだったそうです。内輪的な性質が濃かった血盟だったこともうなずけます。

私は一度だけ彼にお会いしたことがありますが、現実世界でもゲーム内と同じような調子なのだろうなという印象でした。
ということは、現実世界でもストレスフリーということだったのでしょうね。
彼に学ぶべきことがあるとすれば、その『"生きやすい”生き方』なのかもしれません。

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